過去に私は、会社の社風が「サービス残業」「持ち帰り残業」をして下さい。という雰囲気だったからみんなに合わせていたことがありました。
直属の上司が「俺の時代は、帰れと言われても帰らずに怒られながら仕事を覚えたもんだ。」とブツブツ文句を言ってくるのが嫌で、仕方なく残業をやっていたこともありました。
仕事を覚えたばかりの頃は、ひとつひとつの業務が、他の人よりも時間がかかります。迷惑をかけてはいけない。と間違った責任感で仕事を成し遂げていた時期もありました。
新しいプロジェクトでは、不都合が出た際の対処に時間が取られます。予定が遅れないようにと必死に持ち帰り残業をして、間に合わせました。
上司に「何とかやってもらえないかな。」とお願いされると断り切れず、自分の時間を削ってまで、ひたすら黙々と作業を続けたサービス残業もありました。
なんで、私がここまでしたのかと言えば…。
シングルマザーの私は、必死に働けば、いつか誰かに認めてもらえて昇進できると思っていたのです。
結局、どんな理由にせよ「サービス残業」や「持ち帰り残業」をやった私が徳をしたことは、ひとつもありません。
サービス残業や持ち帰り残業は、自分も、会社も、家族も、良い方向に進むことはないと行為だと思っています。
サービス残業をしてしまうのは責任感が強い人
例えば、あなたが日時処理として行っている仕事は、個々の差があるにしても、それ相応の時間を必要とします。
転職者で経験がある職種に再就職したとしても、すぐに前任者のように仕事をこなせるわけがありません。
必ず、分からないことや確認すること、覚えなければならないこと等があるはずです。
新入社員や経験がない職種への転職であれば、尚更です。
こんなハナシは、誰でも知っていることです。
それでも、人は「早く仕事を覚えたい」「早く仕事を終わらせたい」という達成感という要求を満たそうとしてしまいますし、先輩や上司も「この業務を引き継ぎたい」「この業務を教えてあげたい」と次から次へと納期などの正論という正義感を叩きつけます。
そして「達成感」と「正義感」がぶつかって、「責任感」とは違う場所に知らず知らずのうちに、すすんでしまいます。
責任感が強い傾向がある人の場合、他人に迷惑をかけることを極力嫌いますし、「正論」が正しいと思ってしまいがちです。
サービス残業をすることになった理由として、
- 担当する業務量が多すぎることを伝えていない。
- 新入社員に教育をしていて時間が作れなかった。
- スキルや知識が低くて時間を必要としていた。
- 私語をしていて、業務がすすまなかった。
など様々な理由があったはずです。
その理由を、サービス残業や持ち帰り残業をしてしまうことで、見えなくなってしまいます。
そして、
「できません。」とノーを言えなかった自分自身に気付かないフリをしていませんか。
たとえば、
Aさんが2時間かかる業務をBさんは30分で終わらせる場合、どちらがやっても結果は同じですので、急がない案件であればAさんでも担当できるはずです。
ですが、Aさんがその業務を持ち帰り残業で遂行し続けた場合、急な案件であれば納期に間に合わなくなるのです。
または、Aさんはサービス残業をしてくれるからと能力以上に業務が増やされることも。
そのことを知って、ツラい想いをかかえているのは、Aさん本人だけです。
AさんはBさんを目標として、経験とスキルを磨く必要はありますが、自分はBさんのように30分で仕事が終わらないことを知ってもらうのがAさんの「責任」です。
そして、その能力の差を知るのが、上司や会社の「責任」です。
また、そのAさんのサポートをする必要があるのが、同僚や先輩の「責任」です。
さらに付け加えるなら、サポートしてくれる同僚や上司の仕事を補佐するのが部下の「責任」ということになります。
サービス残業で見えなくなった業務は、結果的に様々な「責任」を隠すことになるだけです。
Aさんは、指示された業務を30分後の会議までに用意することができないことを知ってもらう責任があります。
「私には、まだ30分ではできません。」
と、ノーを言うことで、変わる世界を一度でも体験すると、サービス残業や持ち帰り残業をしないキッカケが生まれます。
自主的なサービス残業をしないために
この記事を読んでいる方は、「サービス残業」や「持ち帰り残業」に嫌気をさしている事務員の方だと思います。
残業代をきちんと支払う会社を選べるのは自分だけです。
まずは、今までサービス残業や持ち帰り残業をしていたことをきちんと上司に報告してみましょう。
今やっている仕事をやり遂げなければならないと間違った責任感を持ってサービス残業をしていたことを伝えてみましょう。
就業時間内に真剣にやってもできなかった理由を報告をすることが、正しい「責任感」です。
もし、あなたが責任感が強い人ならば、その責任感を正しい方向に一度は使ってみるべきです。
私は、仕事ができないと思われることが嫌でしたし、感謝の言葉をもらうことが嬉しくて、サービス残業や持ち帰り残業をやり続けていました。
あなたが私のように責任感を間違えて、自分で自分を苦しめないことを祈ります。
勤め先の社風や上司の考えが決してあなたと同じわけではありませんし、簡単に変えられない場合もあるでしょう。
残業代をきちんと支払う会社を選べるのは自分だけです。
ひとつの転職理由として、書き留めておくと良いかもしれないですね。