20代、30代、40代にかけて、結婚、出産、育児にイジメなどを理由に転職を繰り返すはめになった私には、ひとり事務のメリットとデメリットは、「紙一重」に感じられる部分が多々あるように感じます。
その理由のひとつが「年齢」です。
ひとりぼっちの事務職のお仕事のメリット・デメリットを女性特有のライフスタイルに合わせてまとめました。
目次
一人事務のメリット
女たちの面倒な人間関係がない。
女たちの派閥や足の引っ張り合いがないことが何より気楽です。
「あの人だけ残業してる。」
「あの人だけ上司から可愛がられている。」
「あの人だけ雑用していない。」
「あの人だけ・・・。」
「あの人だけ・・・。」
そう。呪文のように唱えられる「あの人だけ・・・。」を聞かなくて良くなります。
お局のご機嫌を損なわないように、気を遣う時間を作ることもないです。
女社会のいじめや嫌がらせ、人間関係に疲れて嫌気がさしているなら、一人事務は「楽園」です。
自分のペースで仕事ができる。
仕事が遅くても、早くても比べる基準の人が存在しないため、他者と比較されることが少ないです。
以前に働いていた優秀な事務員がいたとしても、時間が存在を消してくれます。
仕事の経験値が上がれば、徐々に得意な分野、不得意な分野が自分でも分かってきますので、仕事の調整やペース配分ができるようになります。
ただし、不得意な分野でも、習得する努力を怠るような態度だと後で自分に跳ね返ってくるのが早いので、ご注意を。
今は分からなくても、次に同じことが発生した時には対処ができるように行動を起こしましょう。
また、自分のペースで仕事ができるメリットの裏側には「行動力」が隠れていますので、行動力がある方の場合は、メリットに感じやすいはずです。
仕事にやりがいを感じることができる。
信頼を得ることで、徐々に重要な仕事を任せてもらえるようになります。
はじめは補助的なアシスタントからの場合もありますが、実績を積むことで上司へ提案が通りやすくなったり、意見を聞かれることも。
一人事務でも、コミュニケーション力や洞察力が高いことが、必ず有利になるはずです。
無理にアピールをしなくても、仕事の成果が伝わりやすい位置にいるため、昇給のチャンスもあると身を引き締めておくと良いでしょう。
一人事務のデメリット
仕事を聞くことができない。
利益を生み出さないと言われている事務職は、前任者が退職していたり、引継ぎ期間が短かい場合も少なくありません。
前任者からの引継書があったら「儲けもの」だと思っておくと良いでしょう。
さらに事務員が一人なわけですから、雑用から営業事務、管理事務、総務事務、経理事務まで幅広く要求されることもあります。
在職者に聞いて分かることなら良いですが、分からないことが思ったより多いと感じることもあるでしょう。
その場合は、前職の経験から新たに自分で開拓したり、一から調べて仕事をこなしていかなければなりません。
まずは、どこから情報を得ようか?
と考えることから始まりますので、事務経験や簿記などの資格があると有利に働きます。
未経験で採用された場合は「ひとりで気楽に仕事ができるから。」という安易な考えをココで捨てておきましょう。
急な休暇や長期休暇が取りにくい。
- 入社後に、出産を考えている。
- 子供が病気の時は、自分が休まなければならない。
- 現在、介護が必要な両親と同居している。
子育て中ママでも、シングルマザーでも条件は同じ。
学校行事のために休暇や早退、遅刻をすることに負い目を感じる必要は一切ありません。
事前に休暇届を提出できる状況下にあれば、雇用側も調整が可能だからです。
ですが、緊急の際に子供の面倒を見てくれる方の確保ができないケースは、精神的に大変なストレスとなります。
お分かりのように「ひとり事務」は、代わりがいないからです。
言葉には出さないものの、急な休暇の発生リスクが低い中学生以上の子供を育てていて、これまでの子育てや社会経験を仕事に活かせる40代女性を好んで探している中小企業も少なくありません。
この場合、多少のブランクは考慮してもらえたりします。
逆に20代、30代で入社後に出産や育児による長期休暇の取得を希望している場合は「退職」も検討せざる得ない場合もあるのが一人事務の現実です。
雇用主によっても考え方が違いますが、産後は働き方のペースが変化しますので、これから出産、育児を考えている方はあらかじめ覚悟が必要です。
未経験でも採用された場合は、長く信頼して仕事を任せられる女性と判断されたと自信を持ってほしいです。
仕事のモチベーションを保つことが難しい。
一般的には、上司に褒められたり、お客様に感謝されることで、仕事のモチベーションが上がり「やる気」を保つことができます。
しかし、「ひとりぼっち」という環境下の中で、自分では右往左往しながらこなした業務に「できてあたり前」「できなければサボリ」と判断された結果、モチベーションが下がり、仕事に嫌気が指すと言うケースも少なくありません。
一人事務員は、褒められることや感謝されることを前提に仕事をしてはいけません。
定時で仕事を終わらせ、自分の時間を確保しやすい職と割り切りましょう。
モチベーションを保てる環境に自分で作り変える努力により、働きやすい職場に変わりますので、豆腐のようなメンタルの方には向いていません。
仕事量が少なく、暇なケースの場合
勤務態度に厳しい会社であれば、スマホをいじったり、ネットサーフィンは避けておくのが無難です。
今がチャンスとビジネスマナー本を読んだり、パソコンスキルを上げる方向に時間を使いましょう。
徹底的に掃除をし、書類管理や備品管理もできるようになったら、勤務時間を減らしてもらうなどの相談をしてみると良いです。
常時、自分以外の従業員が不在であるなら、在宅ワークなどの副業も考えてみてはいかがでしょうか。
仕事量が多すぎて、忙しいケースの場合
優先順位が付けられる能力と、ほうれんそう(報告・相談・連絡)を行い、コミュニケーションを図ることで負担が少なくなります。
私は、図太いので仕事が増えすぎる前に「こんなに仕事があったら、毎日残業代が付きますけどいいですか。」と話しています。
「寝ないで仕事しないと、終わりませんけどΣ(゚д゚lll)?」と冗談を含めた伝え方をすることもありますが、たいがいが笑ってくれます。
仕事内容によっては、残業をしてでも優先的にやってほしい場合もありますので、臨機応変に。
逆に、将来的にカタチにできれば問題ない場合もあるので、上司とのコミュニケーションは大事になります。
上司とかみ合わない場合は、体調不良を起こしかねませんので、マジメな方やマニュアル通りに物事が進まないと嫌なタイプの方には、一人事務は不向きな職種です。
浅く広く手際よく、多くの業務をこなすスキルが必要になりますので、前職の経験や行動力が必要な場合も少なくありません。
仕事の成果を認めてもらうことで、従業員を増やしてくれる場合もありますので、相談する前にまずは結果を出しておきましょう。
一人事務のメリットとデメリットが年代で違う理由
一人事務は、40代前後から50代の女性に向いている職場だと感じています。
20代や30代前半では、はらわたが煮えくり返る日々を過ごしストレスがたまる可能性もあるかなと。
私は、20代の頃に一人事務を経験し、40代で再び一人事務へ転職しています。
20代の頃に働いていた会社は、出産を理由に40代のAさんへ業務を引き継いで辞めました。
私は2年で辞めましたが、Aさんは定年まで働き続けたそうです。
そして、私が40代になって中途採用された会社は、20代のBさんが辞める代わりに業務を引き継ぎました。
20代のBさんは、暇で話し相手がいないから人間不信になるという理由で、1年半で辞めています。
今思えば、20代だった当時の私も、Bさんのように暇で話し相手がいなくて仕事が嫌だと思っていました。
40代、50代、60代のおじさんたちって、何を考えているのか20代女性には分かりませんので、会話が成立しなかったのかも?
しかし、現在40代の私は人間関係が複雑でなく、自分のペースで仕事ができるので気楽だと思っています。
今なら、Aさんが定年まで働き続けられた理由が分かるような気がします。
「気楽・暇・孤独」は、年齢や職種経験によって感じ方が異なるのです。
仕事のスキルや、コミュニケーション力、臨機応変な対応が、20代だった頃の私より40代の私の方が明らかに高くなっていたわけです。
現在、20代のBさんが暇だと辞めた会社ですが、私は丁度良い~忙しい範囲だと感じています。
40代にもなると、言い方も工夫できるようになってくるので、時間や能力面から自分ができないと感じた仕事は「私だと分からないことがあるので、対応お願いできませんか~。」と早めに離脱するテクニックが身についています。
「いつも一人ぼっちだから、人と話せて嬉しい。」と伝えれば、若い男性従業員も取引業者さんも、おばちゃんだろうが、かまってくれたりしますよ。
40代になって精神的に図太くなった分、周りの方も遠慮せず、仕事を共有しやすいのかもしれませんが、仕事がなくて暇だと思ったことは、まだ一度もありません。
「暇」や「孤独感」を感じるか、「気楽」で働きやすいと感じるかは、同じ一人事務員でも個人差があります。
また、選んだ会社によっても大きく左右されます。
どんな点に注意して、自分に合った一人事務職を選べば良いかは、「仕事ができないダメな事務員」にならない求人の選び方 を参考にしてみて下さい。
何より、男性社員がお茶出しすら頼みにくそうなら、まずは自分の態度を改める必要があることを認識しなければ「暇」が付きまとう可能性大です。
毎回でなくても仕事に余裕がある日には「私、コーヒー飲みますけど、一緒に入れましょうか。」くらいのコミュニケーション力は持ちましょう。
書類ひとつでも早く提出してくれたら、「仕事が早くて助かります。ありがとーーう。」と明るく自分から声をかけられる配慮を持ってみて下さい。
そういった「少し」の行動ができなければ、暇でつまらない職場か、忙しくて休みが取れない職場になってしまいます。
私は「気楽・暇・孤独」を感じる本当の理由が、「一人事務だから。」ではないと思っています。
もしかしたら、自分の存在価値を会社で見つけることができていないからかもしれません。